
愛犬がハーネスで苦しそうに咳き込んでいたら、心配でたまりませんよね。
もしかしたら、咳の原因はハーネスの選び方や使い方、またはワンちゃんの体に原因があるのかもしれません。
本記事では、愛犬がハーネスで咳き込む理由から、ワンちゃんにぴったりのやさしいハーネスの選び方を、わかりやすくご紹介します。
最後まで目を通していただければ、大切な家族の一員である愛犬と、毎日をもっと楽しく、安心してお散歩できるようになると思います。
早速、一緒に見ていきましょう。
なぜ愛犬はハーネスで咳き込むの? 意外な原因と危険性
ワンちゃんがハーネスで咳き込むのには、いくつかの理由が考えられます。
ただ首が締まっているだけでなく、ワンちゃんの体のつくりやハーネスの種類が関係していることがあるんです。
体への負担が引き起こす「苦しい」サイン
ハーネスが愛犬の体に合っていないと、特定の部分に過度な力がかかり、咳き込みを誘発する場合があります。
首や喉への直接的な負担
ハーネスの中には、リードを繋いだ時に、ワンちゃんの首の付け根や喉(気管)のあたりにギュッと力がかかるタイプがあります。
長く続くと、気管が傷つくことにもなりかねません。
脇や胸周りが締め付けられる影響
ハーネスのサイズが小さすぎたり、ワンちゃんの体に合わないデザインだったりすると、脇の下や胸周りが締め付けられてしまいます。
呼吸のしづらさや不快さを感じると、ストレスになって咳き込みにつながることも。また、肋骨や肺の動きが制限されて、深い呼吸ができない場合も考えられます。
ハーネスの種類がもたらす影響
ハーネスにはたくさんの種類があります。
選び方を間違えると、かえってワンちゃんの咳き込みを悪化させてしまうこともあるので、注意が必要です。
「抜けにくい」が「苦しい」に?
「首が抜けにくい」と謳うハーネスの中には、ワンちゃんの首周りをきつく締め付けることで抜けにくくしているものもあります。
結果的に喉を圧迫し、咳き込みの原因になってしまう場合があるので、注意が必要です。

前足の付け根を通るタイプの見落とし
前足の付け根ギリギリを通るタイプのハーネスは、お散歩中に皮膚が擦れたり、ワンちゃんが足を動かしにくくなったりする場合があります。
摩擦だけでなく、動きが制限されるストレスが咳き込みにつながる可能性も考えられます。
ワンちゃんの個性と咳き込みのリスク
ハーネスだけでなく、ワンちゃん自身の体の特徴や性格も、咳き込みのリスクに関わってきます。
犬種ごとの気管の特性
ワンちゃんの種類によっては、生まれつき気管が弱かったり、細かったりする場合があります。

成長段階と気管の状態
子犬はまだ気管が未発達でデリケートです。
一方、シニア犬になると、気管の軟骨が弱くなり、少しのことで気管が潰れやすくなる場合があります。
どちらの年代のワンちゃんも、ハーネスの圧迫による影響を受けやすいので、特に気を配ってあげましょう。
体質や健康状態
アレルギー体質のワンちゃんは、喉の粘膜が敏感で、少しの刺激でも咳が出やすい場合があります。
また、心臓の病気や肥満があると、呼吸器に負担がかかるため、ハーネスの圧迫が症状を悪化させる可能性もあります。
興奮しやすい性格
お散歩中や他のワンちゃんに会った時に、うれしくてリードを強く引っ張ってしまうワンちゃんは、どんなハーネスを付けていても首や喉に負担がかかりやすくなります。

犬の咳き込みは放っておくと危険!愛犬の体に起こる変化
「たまに咳き込むだけだから大丈夫かな?」と思ってしまうかもしれません。
でも、ハーネスによる咳き込みをそのままにしておくと、ワンちゃんの健康に思わぬ影響が出てくる場合があるんです。
呼吸の通り道(気管)が傷つく心配
ハーネスの圧迫が続くと、気管に深刻なダメージを与える場合があります。
気管が硬くなったり、変形したり
常に圧迫されることで、気管の組織が傷つき、硬くなったり(線維化)、軟骨が変形したりする可能性があります。
気管が常に狭い状態になり、たとえハーネスを変えても咳き込みが治りにくくなってしまう場合も。
気管虚脱が悪化するケースも
気管が潰れやすい傾向(気管虚脱)があり、ハーネスで繰り返し刺激されると、症状がどんどん悪化してしまう場合があります。
ひどくなると、少し動いただけでも息が苦しくなったり、舌が紫色になったり(チアノーゼ)するようになります。お散歩はもちろん、普段の生活もつらくなってしまいます。
呼吸器や心臓にも負担がかかる?
咳き込みは、呼吸をする器官だけでなく、全身の健康に影響を及ぼすことがあります。
呼吸器の病気や悪化の要因に
慢性的な咳き込みによる気管や気管支の炎症は、気管支炎や肺炎などの呼吸器の病気を引き起こしたり、既存の症状を悪化させたりする原因となります。
心臓にも負担がかかる可能性
咳き込みが長く続くと、呼吸器だけでなく心臓にも余計な負担がかかる場合があります。
ごく稀に、肺の血管の血圧が上がってしまう病気(肺高血圧症)につながる可能性も指摘されています。
お散歩が嫌いになったり、性格が変わったりすることも
体への不調だけでなく、ワンちゃんの心にも影響が出てしまう場合があります。
お散歩が嫌いになる
ハーネスを着けることや散歩中の咳き込みが、ワンちゃんにとって嫌な経験として記憶されると、大好きだったお散歩自体を嫌がるようになるかもしれません。
行動に変化が出ることも
痛みや不快感が続くと、臆病になったり、逆に興奮しやすくなったりするなど、普段の性格とは違う行動が見られるようになる場合があります。

もう迷わない!愛犬に優しいハーネス選びの5つの秘訣
愛犬の咳き込みを減らしてあげるには、ハーネス選びがとても大切です。

首や喉に負担をかけないつくりを選ぶ
一番大切なのは、リードの力が首や喉に直接かからないハーネスを選ぶことです。
胸全体で支える「Y字型」や「H型」
「Y字型」や「H型」のハーネスは、リードの力を首ではなく、ワンちゃんの胸全体で受け止めるようにできています。力が広い範囲に分散されるので、気管が圧迫されにくくなります。

「V字型」の胸当てがあるもの
胸の部分がV字になっているハーネスは、ストラップが首の付け根や喉仏に直接当たらないよう工夫されています。
気管への圧迫を最小限に抑えるための大切なポイントです。
サイズは「ぴったりのゆとり」が大切
どんなに良いハーネスでも、サイズが合っていなければ意味がありません。
- 正確なサイズを測る:ワンちゃんの首周り、胴回り、胸の深さを正確に測って、ハーネスのサイズを選びましょう。ハーネスの種類によっては、前足の付け根から胸の骨までの長さも測ると、より正確なサイズを選べます。
- 「指2~3本」のゆとりを目安に:ハーネスとワンちゃんの体の間に、大人の指が2~3本入るくらいのゆとりがあるのが理想です。きつすぎると呼吸がしづらくなったり、皮膚が擦れてしまったりします。逆に緩すぎると、ハーネスがズレてしまい、本来の役割を果たせなくなったり、急な動きで抜け落ちてしまう危険もあります。
- 細かく調整できるものが便利:ワンちゃんの成長や体重の変化、季節ごとの毛の量によって、体のサイズは少しずつ変わります。アジャスター(調整具)が付いていて、細かくサイズ調整ができるハーネスを選ぶと、いつでもピッタリの状態に保てますよ。
素材と通気性で快適さアップ
ハーネスの素材も、ワンちゃんの快適さや健康に大きく関わります。
- 柔らかく肌に優しい素材:皮膚への擦れや刺激を減らすため、クッション性のある素材や、ネオプレン、フリースのような柔らかい裏地のものを選びましょう。これは皮膚が赤くなる(皮膚炎)のを防ぐことにもつながります。
- 蒸れにくい通気性の良い素材:特に暑い季節や、長い時間のお散歩では、ハーネスの中が蒸れて不快に感じることがあります。メッシュ素材など、風通しの良い素材を選ぶと、ワンちゃんのストレスを減らし、体温調節にも役立ちます。
リードを繋ぐ位置もチェック
リードをハーネスのどこに繋ぐかによっても、ワンちゃんへの影響が変わってきます。
- 背中側に繋ぐタイプ(一般的):ほとんどのハーネスは背中側にリードを繋ぎます。お散歩中に比較的安定していて、首への急な負担が少ないのがメリットです。ただ、ワンちゃんがリードを強く引っ張る癖がある場合は、引っ張る行動自体を直す効果は期待しにくいでしょう。
- 胸側に繋ぐタイプ(引っ張り防止):ハーネスの胸の前面にリードを繋ぐタイプもあります。ワンちゃんが前に引っ張ろうとすると体が自然に横を向くため、前に進みにくくなります。ワンちゃん自身が「引っ張っても意味がないな」と学習し、引っ張る癖を直すきっかけになる可能性があります。
飼い主さんも「着脱のしやすさ」をチェック
毎日使うハーネスだからこそ、飼い主さんがスムーズに着脱できるのも大切です。
簡単に着け外しができるハーネスは、飼い主さんの負担が減るだけでなく、ワンちゃんもハーネスを着けるのを「嫌だ」と思わずに済みます。

犬の咳き込みが減るハーネス「ペルロスハーネス」の魅力
咳き込み軽減に特化したハーネスは様々な種類がありますが、中でも特におすすめしたいのが「ペルロスハーネス」です。
ペルロスハーネスは、ワンちゃんの首や気管に負担がかからないように設計された、体に優しいハーネスとして注目されています。

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ハーネス以外も大切!愛犬の咳き込みを減らすお散歩と暮らしのコツ
ハーネス選びも大切ですが、咳き込みが完全に解決しない場合もあります。
日頃のお散歩や暮らしの中で、ワンちゃんの咳き込みを減らすための工夫をいくつかご紹介します。
リードの引っ張り癖を直すトレーニング
ワンちゃんの引っ張り癖を直すのは、ハーネスへの負担を根本から減らす、とても大切な解決策です。
“お散歩トレーニングのポイント”
- アイコンタクトの練習:お散歩中に飼い主さんに注目させることで、ワンちゃんがリードを意識する頻度を減らします。
- 褒めてご褒美:リードが緩んだ状態で歩けたら、すぐに「えらいね!」と褒めて、小さなおやつをあげましょう。良い行動をどんどん増やしていきます。
- 立ち止まる練習:リードを引っ張ったら、その場でピタッと立ち止まります。ワンちゃんがリードを緩めたら、また歩き出すようにします。これを繰り返すと、「引っ張っても進めないな」とワンちゃんが自分で学習していきます。
- 方向転換:引っ張る様子が見えたら、急に反対方向に曲がってみましょう。ワンちゃんが飼い主さんの動きを意識するようになり、引っ張る行動を減らす効果が期待できます。

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お散歩コースや時間の工夫
お散歩に出かける場所や時間帯の見直しも、咳き込みの軽減につながります。
興奮しやすい環境・時間を避ける
他のワンちゃんや人との出会いが多い場所や時間帯を避けることで、ワンちゃんが興奮してリードを引っ張るのを減らせます。
暑い時間の注意
特に鼻ぺちゃのワンちゃんやシニア犬は、暑さに弱い場合があります。
気温が高い時間帯のお散歩は避け、涼しい時間帯を選んだり、冷たいグッズを活用したりして、体温管理をしっかりしてあげましょう。

心配な時は「動物病院」へ相談を
ワンちゃんの咳き込みが頻繁だったり、だんだんひどくなっていると感じたりしたら、迷わず動物病院に相談してください。
- 隠れた病気の可能性:ハーネスの問題だけでなく、気管がフニャッと潰れてしまう病気(気管虚脱)や、他の呼吸器の病気、心臓の病気などが原因で咳き込みが起きている可能性もあります。獣医さんに診てもらい、適切な診断と治療を受けるのが何よりも大切です。
- 専門家のアドバイス:獣医さんは、ワンちゃんの症状や体質に合わせたハーネスの選び方や、食事、サプリメントなど、専門的なアドバイスをしてくれます。

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普段の生活環境も大切に
お散歩だけでなく、普段の生活環境も、ワンちゃんの呼吸器の健康に影響を与える可能性があります。
- 体重管理:ワンちゃんが太りすぎると、気管や呼吸器に余計な負担がかかり、咳き込みが悪化する場合があります。健康な体型を保つことも、大切な対策の一つですよ。
- お部屋の空気環境:お部屋のホコリやアレルギーの原因になるものは、ワンちゃんの呼吸器を刺激し、咳き込みを引き起こすことがあります。空気清浄機を使ったり、こまめに掃除をしたり、空気が乾燥しすぎないよう加湿器を使ったりするのも有効です。

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まとめ:愛犬との毎日をもっと楽しく快適に
愛犬がハーネスで咳き込む問題は、飼い主さんにとって心配ですよね。
でも、ワンちゃんにぴったりのハーネスを選び、日頃のお散歩や生活を見直せば、悩みを大きく減らせます。
ハーネスだけに頼らず、リードの引っ張り癖を直すトレーニングやお散歩環境の工夫、さらに獣医さんへの相談といった、色々な角度からの対策を続けていくのが、愛犬の健康と快適なお散歩に繋がります。

諦めずに、愛犬に寄り添い、一番良い方法を見つけてあげることで、たくさんの楽しいお散歩の思い出を一緒に作っていけますよ。
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