愛犬との毎日のお散歩は、心も体も元気にするための、かけがえのない時間ですよね。
公園で一緒に歩いたり、新しい場所を探検したり、お日様の下で過ごす時間は、私たち飼い主にとって最高の癒やしです。
ハーネスが原因でお散歩がちょっぴり憂鬱になるなんて、とても残念ですよね。
犬がハーネスを嫌がるのには、実はちゃんとした理由があり、決してわがままや反抗ではありません。
本記事では「なぜ犬がハーネスを嫌がるのか」愛犬の気持ちを深堀りしていきながら、犬がハーネスを好きになるための具体的な対策、選び方、慣れさせる方法まで、わかりやすくお伝えします。
最後まで読み終える頃には、きっとあなたと犬の毎日のお散歩が、もっと笑顔あふれる楽しい時間へと変わるはず。
早速、一緒に見ていきましょう。
犬がハーネスを嫌がるのはなぜ?本当の理由と愛犬の気持ち
犬がハーネスを嫌がる仕草を見せた時は、私たちに何かを伝えようとしているサイン。
犬の気持ちを理解するのが、問題を解決するための最初のステップです。
体が感じるハーネスの「不快感」が原因の場合
ハーネスへの抵抗は、まず体が感じる不快感からきている場合がよくあります。
サイズが合っていない
きつすぎるハーネスは、胸や脇の下が締め付けられたり、擦れたりして、犬は痛みや息苦しさを感じてしまいます。
大きすぎるハーネスは、体が動きにくく、歩くたびにズレて不快感を与えます。最悪の場合、ハーネスからスルッと抜けてしまい、危険な目に遭う可能性もあります。
素材や肌触りの問題
ゴワゴワした硬い素材や、通気性の悪いハーネスは、犬のデリケートな皮膚に負担をかけます。
特に夏場は蒸れてかゆくなったり、毛が擦れてしまったりします。金具が冷たく感じたり、重さが負担になったりする場合も。
装着による圧迫感
特定のハーネスは、リードが引っ張られると一点に力が集中しやすく、犬に不快な痛みを与えることがあります。

過去の経験が原因?心が感じる「怖い」「不安」な気持ち
身体的な不快感がなくても、過去の経験からハーネスに対する心理的な不安を持っている場合もあります。
初めての経験への戸惑い
子犬や初めてハーネスをつける犬にとって、体に何かを装着される経験は、知らないものへの恐怖や不安を感じさせることがあります。
まるで、突然体が縛られるような感覚に抵抗があるのかもしれません。
嫌な記憶・トラウマ
ハーネスを付けている時に、大きな音に驚いた、他の犬に吠えられた、リードで強く引っ張られて痛かったなど、嫌な経験があると、犬は「ハーネス=嫌なことが起こる」と覚えてしまいます。
また、動物病院へ行く時など、犬が苦手な場所に連れて行かれる際にいつもハーネスをつけていた場合も、ハーネス自体が「嫌な場所へ行く合図」として記憶されてしまうことがあります。
ハーネスに「慣れていない」だけかも?社会化不足が原因の場合
単純に、ハーネスに慣れていないために嫌がるケースもたくさんあります。
子犬期の慣らし不足
子犬の頃、社会化期と呼ばれる大切な時期にハーネスに触れる機会が少なかったり、短時間でも装着する練習をしていなかったりすると、成長してからハーネスに抵抗感を示すことがあります。
お散歩の時だけ装着する習慣
お散歩の時だけハーネスをつける習慣だと、犬はハーネスを「お散歩の時にだけ出てくる特別なもの」と感じ、身構えてしまう原因になります。
外の世界への不安
まだ社会化が進んでいない犬は、お散歩自体に不安を感じていることがあります。
ハーネスを体に装着されるのが、外の世界への不安と結びついて、嫌がる行動につながる場合もあります。
【すぐできる】犬がハーネスを嫌がらなくなる!優しい対策と慣らし方
犬がハーネスを嫌がる理由がわかったら、次は理由に合わせた対策と、時間をかけた優しい慣らし方を実践していきましょう。

愛犬に最適なハーネス選びが成功の鍵!失敗しないポイント
犬が快適に過ごせるハーネスを選ぶのが、ハーネス嫌いを克服する第一歩です。
体への負担が少ない「Y字型」や「H型」ハーネスがおすすめ
「Y字型」や「H型」のハーネスは胸全体で体を支え、喉への圧迫が少なく、肩や関節の動きを邪魔しません。リードが引っ張られた時も、力が分散されるので、犬に余計な負担がかかりにくいのが特徴です。
特に脇の下が擦れやすい犬には、脇の部分にクッションが入っていたり、幅が広いデザインを選ぶと良いでしょう。
素材選びも重要
肌に直接触れるものなので、柔らかく、通気性が良く、肌触りの良い素材を選びましょう。
メッシュ素材や、ソフトなパッドが入ったもの、裏地がフリース素材のものがおすすめです。摩擦による皮膚トラブルや毛の擦れを防げます。
サイズ計測と試着で完璧フィット
犬の首周り、胴回り(前足の付け根から少し後ろの一番太い部分)を正確に測りましょう。メーカーによってサイズ感が異なるため、必ず計測し、サイズ表と照らし合わせてください。

ハーネスと体の間に指が2~3本入るくらいのゆとりがあるのが理想です。
装着のしやすさもチェック
犬へのストレスを減らすために、バックルの数や位置、脱着のしやすさも確認しましょう。サッと装着できて、犬に負担をかけないタイプがおすすめです。
実際に使っている飼い主さんの声は、あなたと犬にぴったりのハーネスを見つけるヒントになるはずです。
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焦りは禁物!ハーネスに慣れるための5つのステップ
ハーネスに抵抗がある犬に、いきなり無理やり装着するのは絶対にやめましょう。
犬のペースに合わせて、少しずつ、楽しい経験を積み重ねながら慣らしていくのが成功の秘訣です。
ステップ1:ハーネスは「良いもの」と教える
まずは、ハーネスを犬が普段過ごしている場所に置いて、慣れさせます。
ハーネスを犬に嗅がせたり、ハーネスのそばに大好きなおやつを置いたり、ハーネスの横でご飯をあげたりしてみて「ハーネス=良いことが起こる」と犬に教えてあげましょう。
ステップ2:ハーネスに触れる、通すのに慣れる
犬がハーネスの存在に慣れてきたら、次にハーネスに優しく触れる練習をします。ハーネスに触れながら「いい子だね」と褒め、同時におやつを与えます。
頭を通すタイプなら、頭を通したらすぐに褒めておやつ。足を通すタイプなら、足を通したらすぐに褒めておやつ。ごく短い時間(数秒)から始め、徐々に時間を延ばしていきます。
犬が少しでも嫌がる様子を見せたら、すぐに中止して、嫌な思いをさせないようにします。
ステップ3:短時間装着に慣れる
実際にハーネスを装着してみます。装着したらすぐに、犬の大好きなおもちゃで遊んだり、特別なおやつを与えたりします。
「ハーネスをつけたら楽しいことがある」と強く結びつけましょう。
最初はお家の中で、数分間の装着からスタート。ハーネスを付けたまま室内で自由に遊ばせ、ハーネスの存在を意識させないようにし、徐々に装着時間を長くしていきましょう。
ステップ4:リードを付けて慣れる
ハーネスの装着に慣れてきたら、ハーネスにリードを装着します。
室内でリードを持った状態で犬に自由に歩かせ、存在に慣れさせます。 (※リードを引っ張る練習はまだしません。)
少し歩かせたら「えらいね!」と褒めておやつを与えます。
ステップ5:短時間のお散歩から始める
いよいよ、ハーネスとリードを付けてお散歩に出かけてみましょう。
最初は家の周りをほんの数分、短時間から始めます。犬がリラックスして歩けるようであれば、徐々に時間を延ばしていきます。

慣らし方の成功のコツと注意点|無理なく進めるために
- 短い時間から、少しずつ:犬の集中力は長く続きません。無理に長時間装着させようとせず、成功体験を積み重ねましょう。
- 褒めて、ご褒美を:褒める、おやつを与える、遊んであげるなど、ハーネスに関する経験はいつも楽しいもの、嬉しいものと結びつけてください。
- 無理強いは絶対にしない:犬が嫌がっているのに無理やりハーネスを装着しようとすると、犬はますますハーネスを嫌いになり、飼い主さんへの信頼も失ってしまいます。
- 「ハーネス=お散歩」というイメージを変える:お散歩に行かない時もハーネスを装着する練習をしましょう。お家の中でハーネスをつけてリラックスする時間を作ることで、ハーネスがお散歩のためだけの「特別で嫌なもの」という認識を変えられます。
- 焦らず、根気強く:犬には個性があります。数日で慣れる子もいれば、数週間から数ヶ月かかる子もいます。結果を急がず、犬の成長を優しく見守る気持ちが大切です。
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ハーネス装着時に「もしも」が起こったら?安全のための対処法
ハーネスに慣れてきた犬でも、予期せぬトラブルが起こることもあります。いざという時のために、対処法と安全への配慮も知っておきましょう。
ハーネス装着を激しく嫌がる時の最終手段とプロの助け
もし、あらゆる方法を試してもハーネスを激しく嫌がる場合は、専門家の力を借りることも考えてみましょう。
獣医さんやプロのトレーナーに相談
身体的な痛みや病気が原因でハーネスを嫌がっている可能性もゼロではありません。まずは獣医さんに診てもらい、健康状態を確認しましょう。
犬の行動に詳しいプロのトレーナーは、専門的な視点から解決策を提案してくれます。犬に合ったハーネスの選び方や、より効果的な慣らし方の指導も受けられます。
ハーネスからの「すり抜け・脱走」を防ぐ対策
ハーネスを正しく装着できていても、犬がパニックになったり、強く抵抗したりすると、すり抜けてしまう危険性があります。
ぴったりサイズのハーネスを選ぶ
緩すぎるハーネスはすり抜けの大きな原因となります。正しいサイズを選び、調整が適切か常に確認しましょう。
すり抜けにくいハーネスの検討
特にパニックになりやすい犬や、体が細い子には、胴体を2箇所で固定する「ダブルロックハーネス」や「3点留めハーネス」がおすすめで、一般的なハーネスよりも体が抜けにくい作りになっています。
もしもの時の備え
万が一ハーネスからすり抜けてしまっても、愛犬が安全に飼い主さんの元へ戻れるよう、迷子札の装着やマイクロチップの埋め込みは必ず行いましょう。
【お散歩中の安全対策】ハーネスの劣化確認から周囲の配慮まで
ハーネスは安全のためですが、使い方によっては危険を招くこともあります。
ハーネスの劣化を定期的にチェック
お散歩前には、ハーネスのバックルや金具、縫い目に緩みや劣化がないか、定期的に確認しましょう。破損があればすぐに交換し、安全を最優先してください。
周囲の環境への配慮
人通りが多い場所や車通りの激しい場所、他の犬が多い場所では、犬が急に興奮したり、パニックになったりする場合があります。
常に周囲に注意を払い、犬の様子をよく観察するのが大切です。
まとめ:愛犬との「もっと楽しいお散歩」を実現するために
愛する犬がハーネスを嫌がる時、飼い主さんとしてはとても心配になりますよね。
愛犬の気持ちに寄り添い「なぜ嫌がるのか」を理解してあげるのが、問題を解決するための最初の一歩です。
加えて、愛犬にぴったりのハーネスを選び、焦らず、根気強く、優しく慣らしていくことで、多くの犬がハーネスに慣れ、お散歩を心から楽しめるようになります。

本記事が、あなたと大切な犬との絆を深め、より豊かな毎日を送るためのヒントとなれば幸いです。
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